「早期発見・早期治療」
これはよく耳にする言葉だと思います。
医療現場では「早期に発見し、早期に治療をする」ことが理想とされています。
起立性調節障害の疑いがある場合、
まずは主な症状について診察し、検査をすると思います。
それが頭痛やめまいであれば頭部のMRIだったり、頻脈だったらレントゲンや心電図だったり、
倦怠感の場合は血液検査の項目を増やしたりすることと思います。
これらの検査をして、命に係わる大きな病気がない場合は
起立性調節障害を疑い、その検査をします。
診断がついたら、そこまでが「早期発見」です。
その次は「早期治療」です。
医師は病気が見つかったら「治療」をするのは当然のことと考えています。
でも治療するかどうかは患者さんや患者さんのご家族の判断になります。
命に係わる病気や手術などが必要のないODは急いで治療するものではないと考える方も多いのかもしれません。
「治療はしていません」とおっしゃる方がいらっしゃいますが、
起立性調節障害と診断を受けていて、検査や診察を定期的に受けているのであれば
なんらかの「治療」はしているはずです。
「治療」は何か処置をすることや、薬を飲むことばかりではありません。
特に、起立性調節障害では薬を飲むことよりももっと重要とされる治療があります。
きっと医師が診断の際におっしゃったと思います。
それが「非薬物療法」です。
「朝、起きるときは急に起きることはやめましょう」
「ストレスはかけないようにしましょう」
「起立中は足踏みをしたり、両足をクロスしたりしましょう」
「日中はできるだけ身体を横にしないように過ごしましょう」
「早寝早起きを心がけましょう」
「気温の高いところは避けましょう」
「運動は散歩程度にしましょう」
「水分・塩分を取りましょう」
「・・・。」
などと言われませんでしたか?
これらが「治療」
にあたります。
診断がついて、このようなアドバイスを聞いてからは
無理やりには起こさなくなったり、
味の濃い食事を心がけていたりしていませんか?
それらが治療です。
この医師のアドバイスを聞いて、
どのくらい早くに実践できるかが「早期治療」になってきます。
早期発見することで、この早期治療時期に入ることができれば重症にならずに少しは早く良くなっていくのではないかと思います。
睡眠障害も頭痛も癖になっていくことがあります。
酷くなる兆候があったら早めに対処すれば重症になったり、治りにくくなることを避けることができるかもしれません。
これらの早期治療は薬を飲むよりも有効なことで効果も期待されます。
無意識に取り入れている生活改善を見直して、意識的に取り組んでみてください。
「適切な治療が行われた場合、軽症例では数か月以内で改善します」ということが言われています。
それならば、発症したことをいち早く発見して、
すぐに治療に取り掛かればもっと改善する患者さんが増えると思います。
息子は発症してから10年が経ちます。
最初の4年は診断されず、適切な治療を受けることができませんでした。
あの時、何かできることがあったのではという想いがあります。